社会福祉法人の設立Q&A



社会福祉法人が受けなければならない「監査」とはどういうものですか?
社会福祉法人は、他の法人形態よりも極めて高い公共性が要求されておりますので、徹底した法令遵守が求められ、かつ所轄庁等による指導・監査が定期的に実施されることになっております。
(1)所轄庁による監査
監査の対象となる法人を次の3段階に分類した上で、それぞれ次に掲げる頻度で指導監査が行われます。
  • A  法人運営における関係法令の遵守状況から特に大きな問題が認められない法人であって、外部監査の実施等、施設運営に対する積極的な取組みを行っている法人・・・4年に1回
  • B  法人運営における関係法令の遵守状況から特に大きな問題は認められない法人・・・2年に1回
  • C  上記A、B以外の法人・・・年1回又は随時
なお指導監査において文書による改善指摘を受けた事項において、改善が図られない場合、所轄庁はその社会福祉法人に対し、期限を定めて必要な措置を採るべき旨を命ずることができると共に、法令違反などが明らかになった場合は所定の措置を採ることができます。
(2)幹事による監査
社会福祉法人は、社会福祉法において1名以上(ただし定款準則では2名以上)の幹事を置くものとされております。幹事のうち最低1人以上は、社会福祉法人の財務諸表等を監査することの出来る知識経験を有する者でなければなりません。幹事は理事(理事会)に対して強い独立性を持つことが求められておりますので、例えばその法人の職員や顧問税理士など特定の利害関係を有する者が幹事になることはできません。
幹事は、理事の業務執行の状況・法人の財産の状況を監査し、不整の点があることを発見したときは、これを理事会及び評議員会(又は所轄庁)に報告しなければなりません。
(3)外部監査
税理士や公認会計士など、社会福祉法人の財務管理等について優れた見識を有する外部の第三者が監査を行い、その監査が有効に機能しているものと認められる場合には、上記(1)の所轄庁監査の実施が緩和(2年に1回又は4年に1回)されることになっております。
「評議員会」とは何ですか?
評議員会は、社会福祉法人の公共性を鑑み、広く関係者の意見を聴くことにより、一部の経営者によって社会福祉事業推進の本旨に反した営利の追求が行われたりすることなどがないよう、適正な事業運営を図るための機関です。
ただし次の事業のみを行う社会福祉法人については、評議員会を置かなくてもよいこととされています。
  • (1)都道府県又は市町村が福祉サービスを必要とする者について措置をとる社会福祉事業
  • (2)保育所を経営する事業
  • (3)介護保険事業
評議員会は理事定数の2倍を超える数の評議員をもって組織します。評議員は、社会福祉事業に関心を持ち、又は学識経験のある者で、法人の趣旨に賛成して協力する者の中から、理事会の同意を得て理事長が委嘱します。
評議員会を設置した場合には、原則として、これを諮問機関とし、法人の業務の決定にあたり重要な事項について、評議員会の意見を聴くことが必要です。また、理事など役員の選任は評議員会において行うよう定款に定めるのが望ましいです。
評議員会は、次に掲げる事項を審議します。
  • ◇予算、決算、基本財産の処分、事業計画及び事業報告
  • ◇予算外の新たな義務の負担又は権利の放棄
  • ◇定款の変更
  • ◇合併、解散
  • ◇解散した場合における残余財産の帰属者の選定
  • ◇その他、この法人の業務に関する重要事項で、理事会で必要と認める事項
理事会は、上記に掲げる事項を決定しようとするときは、原則として評議員会の意見を聴く必要があります。